「働きながらがん治療」は32万5000人 厚労省の初推計 就労支援が重要に

2014年04月01日 11:37

働きながらがん治療を受けている人は全国で約32万5000人に上るとの推計を厚生労働省がまとめた。平成22年の国民生活基礎調査のデータを基に初めて算出し、今年2月中旬、がん患者の就労支援に関する検討会の初会合に提出した。

 がんの生存率が向上する一方で、就労可能な年齢でがんになる人は毎年少なくとも20万人を超える。相当数が仕事を辞めているとみられ、就労支援の重要性が改めて明らかになった。

 働くがん患者の内訳は、男性約14万4000人に対し、女性約18万1000人。男性は60代が最も多く、約6万1000人。それに50代(約3万4000人)、70歳以上(約3万2000人)が続く。女性は50代が約7万人で最多、次いで40代(約5万人)、60代(約3万4000人)の順。男性は肺がんなど高齢で発病するがんが多いのに対し、女性に多い乳がんは比較的低年齢で発病するといった違いを反映しているとみられる。

 厚労省によると、20年の新規患者約80万人(上皮内がんを含む)のうち、20~64歳は約25万9000人で32%。対象を69歳まで広げると、約36万5000人で46%に達する。今後、雇用延長などで働く人の高齢化が進むと、患者の就労支援はより一層、重要になる。

 同検討会のメンバーで、患者の就労を支援する会社やNPO法人を運営している乳がん経験者の桜井なおみさん(47)は「がんによって患者本人の雇用が揺らぐだけでなく、患者を支える家族の仕事にも影響する。社会的、経済的な損失は非常に大きく、国としての戦略が必要だ」と話す。

 検討会は夏頃までに提言をまとめる予定。