主役は高齢者 「ねんりんピック」31年 県内で初めて開催 和歌山

2014年04月09日 14:20

延べ50万人の参加者見込む

 スポーツや文化イベントを通じて高齢者らが交流を深める「全国健康福祉祭(ねんりんピック)」が5年後の平成31年、県内で初開催されることが決まった。県の推計では、32年に高齢者数が約30万7千人と過去最高になる見込みで、県長寿社会課高齢者生活支援室は「高齢者が主役となり、長寿を喜び合えるような大会にしたい」と期待している。

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 ねんりんピックは、60歳以上の人たちの健康推進や社会参加、生きがいの高揚に寄与することを目的に、昭和63年から厚生労働省などが主催。都道府県の持ち回りで毎年実施している。大会では順位を争うよりも競技を楽しむことに重点をおき、卓球や水泳などのスポーツ競技約20種目のほか、将棋や健康マージャンといった文化種目、高齢者ファッションショーなど、さまざまなイベントが繰り広げられる。

 高齢者生活支援室によると、高齢化が進む県内では31~32年にかけて、高齢者人口が最も多くなる。25年3月末現在の県内の高齢者数は約28万4千人だが、32年には30万7千人で3人に1人が65歳以上になる見込み。高齢者が主役になるようなイベントを開きたいと、昨夏に厚労省に開催の意向を伝え、今年3月末に正式決定した。

 開催時期は31年10月中~下旬の4日間を予定。県は選手や観客を含め、延べ約50万人の参加者を見込んでおり、経済効果が期待される。また、来年開催する「紀の国わかやま国体・大会」に向けて整備した施設や運営ノウハウなども生かせるという。

 嶋本昇室長は「地域の活力維持のために高齢者の社会参加は不可欠。また、高齢者の方々の生き生きとした姿が、若い世代の健康増進や生きがいづくりへの関心につながるのでは」と話している。